2015年11月2日月曜日

さらば!「制度ありき」思考

少し前のことになりますが、「女性活躍推進法」が制定され、「仕事と育児を両立したい」と願う女性にとっては、歴史的に見ても、これまでにないほどの追い風が吹いているように見えます。

政府あるいは勤務先企業から、「仕事と育児の両立」を支援するような施策や制度が打ち出されることは、ありがたいことと言えるでしょう。でも。

その内容に一喜一憂、右往左往せず、自分が必要だと思うことは、制度があろうがなかろうが関係なく、「交渉して勝ち取ってゆく」という姿勢でのぞむことが大事なのではないかな、と思うのです。

というのも、与えられる施策・制度は、あくまで選択肢のひとつにすぎないから。

「制度のとおり活用しなくてはならない」と強制されているわけではなく、「どのような形で制度を利用するか」の決定権は、自分にあるからです。


例えば、育児休業の期間について。

現行法(2015年11月時点)では、1年間の育児休暇が認められていますが、当然ながらこれは「1年必ず育児休暇を取らなくてはならない」というものではありません。8ヶ月でも、半年でも、3ヶ月でも、もちろん「産後8週間の産休のみで復帰、育児休暇は取得しない」という選択肢も、あり得ます。

個人的は、育児休業期間については、スキルの陳腐化、トレンドへの追従、またブランクによる仕事勘のリカバリ等を考慮すると、半年程度が限界ではないかと考えていますが、だからといって現行制度を否定するつもりもありません。「1年間しっかり子供とふれあってから仕事に戻りたい」と考える方にとっては、非常にありがたい制度であることは間違いないと思いますから、「自分はフルには活用しない」と受け流せばよいと考えています。


でも、「制度ありき」で考えるクセがあると、全例を制度の中に収めようと考えたり、自分の考えと合わない制度を一刀両断したり、と、思考の幅が狭くなりがち。また、「この制度がないから、両立はムリ!」と物事を諦めてしまう・・・なんてことにも、なりがちです。が、これでは自分の人生を他者に委ねているのと同じ。

まずは、自分がどのような働き方をしたいかを決める。次に、現存する施策や制度が、自分が描く人生にとってプラスかマイナスかを、メリットとデメリットを比較しながら、冷静に検討する。そして、活用するかしないかを自分で決め、自分にとって最適な形で利用する。利用しない場合は、「世の女性にとっての選択肢がひとつ増えたのだ」と、泰然と受け流す。もし「この制度がないから、できない」と思うことがあれば、臆することなく提案・交渉し、勝ち取る。

「自分で人生を切り拓く」という強さを持ち、実際に切り拓いてゆく。これがビジネス・パーソンとしての成長につながりますし、何より、これからの先の読めない時代を生きてゆく子供たちに、見せるべき姿ではないかと思うのです。

自分の人生は、自分のもの。

自信をもって、自分の人生を自由に描き、勝ち取る姿勢を貫きたいものです。

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