2013年1月22日火曜日

「休暇」ではなく「休業」

一般的に使われている言葉で、違和感を抱く言葉が幾つかありますが、そのうちのひとつが「産前産後休暇」と「育児休暇」です。

「休暇」というと「休み」=「バケーション」=「暇」!

というイメージを抱いてしまいませんか?

でも実際は、産前休業中(最大産前6週間)のうち、後半の3週間は「生産期」と呼んで、いつ陣痛や破水があってもおかしくない時期のため、体をよくよくいたわらなくてはなりませんし、前半の3週間も新生児を迎えるグッズの準備、部屋の片付け、入院準備などなど、やるべきことは結構あります。またこの期間は、まだ仕事をしている、あるいは仕事のフォローをしているという場合も多いように思います。

産後休業中(産後8週間)は、出産のためズタボロになった体を休めながらも、2-3時間起きに授乳したりオムツ替えをしたりと、まだ昼夜の区別がつかない新生児のお世話を文字通り24時間体制で行わなくてはなりません。里帰り出産をしなかった場合は、それに加えて家事もこなさなくてはなりません。多くの女性にとって、仕事をしているときとは比較にならないほどハードです。人によっては、ホルモンバランスの変化や体力的精神的に追い詰められてしまうなどから、マタニティ・ブルーに陥ってしまうこともあるでしょう。

さらに、育児休業中(産後8週以降)も、自分では何もできず、困ったことがあったら泣くばかりの新生児のお世話は想像以上に大変です。何を主張しているか分からない、そもそも言葉が通じない人を相手に対処しなくてはいけないのですから。

(ちなみに、よく「母親は赤ちゃんの鳴き声だけで、何を要求しているか分かる」という風説を聞きますが、個人的にはこれは嘘だと思います。少なくとも私は分かりませんでした。では、どのようにして対応可能になるかというと、最初から分かるのではなく、それまで積み重ねてきたパターンと消去法で「なんとなくこれかなぁ」とメドを立てて対応しているのです。ですから、赤ちゃんと接する時間次第では、男性でも分かるようになるのでは、と個人的には思います。少し辛口の言い方をすれば、これは「母性」と呼ばれるものに対する妄想が生んだ幻想ではないかなぁとも思います。あくまで個人的な印象ですが)

というわけで、産休および育休の実態とは、「休暇」という言葉の持つ一般的なイメージとは、ことほど左様に縁遠いものなのです。

ですから、「産前産後休暇」あるいは「育児休暇」と呼ぶのではなく、「産前産後休業」と「育児休業」と呼びませんか?

これなら、「出産ならびに育児を理由に、業務を休業している」という本来の意味ともマッチしますし、そもそも、法律の正式名称は「育児・介護休業法」と、きちんと「休業」という名称を使っているのです。

にもかかわらず、「休暇」という言葉が使われることがあることに、非常に違和感を抱きます。ぜひ「休業」という言葉を意識的に使うようにしてゆきたいものです。そしてそのためのアクションも、小さいところからでも取ってゆきたいなぁと…。

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