2011年7月21日木曜日

「責任を取る」ということ

昨日のエントリーで、
「マネージャの仕事は、頭を下げることと、責任を取ること」
という言葉を紹介しました。

今日は「責任を取る」とは、どういうことか、考えてみます。


■ 「責任を取る」というのは、よく聞く言葉です。

特に昨今「自己責任」という言葉は、少しげんなりするくらい、耳にします。

でも、個人が自分に対して取る「責任」と、企業人が組織に対して取る「責任」は
意味も重みも、まったく異なるなぁと思います。


■ 私個人が自分の人生あるいは選択に対して責任を取ることは、比較的簡単です。

失敗しても、私自身が納得すればそれで収まる話ですので、
他所様に対する影響力も小さく、ほとんど自分の中で決着がつきます。

例えば、「会社を辞めて、かねてからの夢だった作家になる」と決めたとします。
必死で原稿に向きあい、懸命に頑張っても、それでも作家として目が出なかったとしたら。

それは自分で決めたことの結果を、良くも悪くも自分が享受すればいいだけの話であって、他の誰かに責任を転嫁することも、他人の失態をかぶる必要もありません。


■しかし、「マネージャの責任」は、意味も重みも異なります。

「会社員として下した決断が、(他者である)会社に何かしらの不利益、もしくは損害を与えたことに対して、(自分が)責任を取る」
ということなのです。

例えば、あるメディアへの広告出稿を取りやめたとします。
それによって記者との関係がうまくいかなくなり、逆に競合企業と親しくなるそぶりが見えたら?

「広告出稿取りやめ」という意思決定が、「記者との関係に影響を及ぼし」、掲載記事数が減る、という不利益を生じさせるかもしれません。

それに対して、マネージャたるあなたは、「勤務先」という法人に対して、どのような形で責任を取るのでしょうか?

・・・と考えると、うかつな決断はできません。
意思決定は、多面的に検討し、勤務先の損害・損失を最小限に留めるためのメリット・デメリットを検討してからにすべきというのは、このためなのです。


今日もANDで考えましょう!

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