仕事と育児の両立をするためには、「仕事と育児の両立をしやすい環境にあること」がとても大切です。
では 「仕事と育児の両立がしやすい環境」とは、どのようなものでしょうか?
ある米国人のキャリア・コンサルタントの方によると、それは、「次にあげる3つのうちの、いずれか2つが必要」であるとのことです。それは・・・
(1). 夫/家族の理解と協力
(2). 職場/上司の理解
(3). ベビーシッターなど外部リソースを、定期的に利用できるだけの財力
これは以前にこちらの記事でも書いたとおり、筆者もまったくそのとおりだと思います。
ではどのようなアクションを取れば、これらを手にすることができるでしょうか?
それぞれの項目の横に、アクション・アイテムを足してみます。
(1). 夫/家族の理解と協力 → アクション・アイテム:夫/家族を「教育」する
(2). 職場/上司の理解 → アクション・アイテム:職場/上司の理解度の確認。理解がない場合、転職
(3). ベビーシッターなど外部リソースを定期的に利用できるだけの財力 → アクション・アイテム:貯金
アクション・アイテムが明確になったところで、もう少し詳しく見ていきましょう。
(1). 夫/家族の「教育」
「夫の教育」というと、「目指せ!イクメン養成!!家事と育児を徹底的に仕込まねば!」という印象を受ける方もおられるかもしれません。もちろんご亭主をそのように“教育”したい!と思われる方は、そうしていただいて全く問題ないのですが、ポイントはそこではないと考えます。
大切なことは、「子供が生まれたら、どちらが何をどのくらい負担するのか」を確認し、意見をすりあわせておくこと。
「子供が生まれたら、僕も一緒に家のことをするよ」と言ってくれている「一緒に」がどの程度であるのか。「子供が生まれても仕事がしたいなら、応援するよ」と言ってくれている「応援」とは、具体的にどのような行動を指すのか。これを明確にしておく必要があるのです。
「一緒に家のことをする」と言われて、妻側は家事の半分を負担することを期待していたのに、夫側は「風呂掃除とゴミ捨て」だけを意図していた。あるいは、「子供が生まれても仕事がしたいなら、応援するよ」という言葉が、実は、「きみが、家事もこれまでどおりにした上で、仕事も育児もできるなら」という条件付きだった。よく聞く話だったりします。
「そんなはずじゃなかったのに」を防ぐためにも、期待値をあわせておくことは、夫、妻、双方にとって大切なことです。
(2). 職場/上司の理解度の確認
これは、残業時間や職場の雰囲気、何気ない会話など、普段の様子からなんとなくわかるもの、かもしれませんが、重点的にチェックすべきポイントは以下の3つに集約されると思います。
a. 産休、育休の取得実績(育休期間終了後そのまま退職した人などがいないか)
b. 産休・育休を取得した人が、復職後にどの程度、活躍しているか?復帰後も活躍しているか?
c. 自分の上司の認識
もしひとつでも疑問符がつく場合には、復職後に大変苦労する可能性が大、です。
ですから、子供ができる前に両立しやすそうな環境の職場を見つけて、そこで実績を積んでおく、というのも一案です。実績を積んだ人であれば、産休後も復職もスムーズですし、子供のお世話で有給を取ったり早退することがあっても、「あの人なら、仕方ない(ちゃんと仕事してるから)」と、職場の理解も得やすいからです。
ただし!
声を大にして言いたいことがあります。
それは、「職場環境を重視するあまり、妊娠してもないのに、キャリアダウンになる転職をしてはいけません!」ということ。
ゆくゆくは両立させたい、と思っていても現実には子供はまだいないのです。「取らぬ狸の皮算用」で、両立しやすい職場に転職したけど、実は自分にとってはキャリアダウンで、それがストレスになってかえって子供が授かりづらくなった…なんてことになっては、元も子もありません。
「キャリアアップにもなり、両立しやすい職場を得られる」という夢の案件を、気長に待つことです。絶対に急いで転職しなくてはならない、というわけでは、ないのですから。
(3). 「貯金」
最後にしておくべきこと、それは貯金です。共働きで子供がいないと、可処分所得が高い傾向にあります。その分、無意識のうちに「贅沢」が身についている可能性もあります。
「贅沢は敵!」「質素倹約や清貧こそ美徳!!」「ボロを着てても心は錦!!!」・・・なんて声高に言うつもりはありませんし、「ささやかな楽しみ」を奪うつもりもありません。が、いざ子供が生まれたからといって、急に生活水準を下げるのは、難しいもの。
子供が生まれると、何かと物入りになることは否めませんので、今のうちに無理のない程度に、家計のスリム化を図っておくことも、大切なのではないでしょうか。
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