2012年10月17日水曜日

自信がなくて、当たり前

最近よく、

「仕事と育児を両立できる自信がない。だから育児休暇を取っても、ちゃんと職場復帰できるか、わからない」

という悩みを聞きます。

すでに育児休暇→職場復帰の経験を経ている方の本音としては、
・わかる、わかる。私もそうだった。
もしくは、
・それのどこが悩みなのか分からない
の、どちらかではないでしょうか?

前者の反応を返された方は、おそらく「未知の出来事」に遭遇したとき、どのように対処してよいか分からず、でも何とか事前に可能な限りの対策を立てたい、と思うタイプ。
そして、後者の反応を返された方は、「未知の出来事」に遭遇しても「わからないものは、わからない」と割りきって「えいや!」と飛び込んでゆくタイプ、なのではないでしょうか(ちなみに私は後者です・笑)。

「子供を産むと、世界が変わる」とよく言われます。これはまったくその通り。

子供がいないうちには、基本的には多くの物事を自分でコントロールできるでしょう。

・自分でコントロールできない
・話が通じない
・そもそも、日本語を理解してくれない
・そのくせ、やたらと手がかかる

という事柄と向き合うことは、非常に少ないのではないでしょうか。

そうした、子供を産む前の世界しか知らない状況で、
・「仕事と育児を両立させる自信がない」
・「育児休暇を取っても、ちゃんと職場復帰できるか、わからない」
のは、ある意味、当然のことです。だって、未知のことなのですから。

未知のことですから、事前に詳細をイメージさせようとして

・先輩方の話を聞きに行ったり
・雑誌の特集を読んだり
・ウェブなどで体験談をあさったり

ということをしても、正直なところ、それが即、自分が経験するであろう未来を正確に描写しているとは限りません。「仕事と育児」への向き合い方は、環境と考え方によって人それぞれ、個人差が非常に大きいものだからです(もちろん、ある程度の参考にはなるとは思います)。

ですから、出産前に自信が持てなくて当たり前。イメージが沸かなくて途方に暮れて当たり前です。

さらに言えば「仕事と育児の両立」だけが大変なのでは、ありません。育児だけに専念したとしても、それはそれで、とても大変なものです。

確かに仕事を続けていると、

・時間との戦い
・子供を置いて行かねばならない辛さ
・外せない仕事の予定と子供の病気

という事態に遭遇する大変さはあります。

でも育児だけに専念したとしても、

・24時間子供と一緒の生活
・自分ひとりの時間を確保する難しさ

という、別の種類の大変さがあるのです。仮に「両立の自信がない」といって専業主婦の道を選んだとしても、決してラクになるわけではないのです。

ですから、ポイントは
・「仕事を続ける大変さ」と
・「育児に専念する大変さ」の
どちらが自分に向いているか。
あるいは
・「どちらの生活を強く望むか」
なのだと思います。

そして多くの場合、「どちらが自分に向いているか」は経験してみないと分からないものです。

ちなみに私は、第一子の育児休暇中に「この生活は自分には向かない」と気づきました。

以前に勤めていた会社の先輩は、「産休は3ヶ月で復帰する。子供はすぐに保育園に預ける」予定で、周囲から「そんな小さなうちから保育園に預けるのは、かわいそう」と言われると、「子供を産まなきゃいけないせいで、キャリアにブランクが生じる私のほうがかわいそうだよ!」とまで豪語していましたが、実際に子供が生まれてみたら、「仕事は外の人でも代わりが効くけど、この子の母親は私しかいない」と悟りを開き、スパっと仕事を辞めてしまいました。

こんな例もありますから、本当にわからないものなのです。

ですから、もし「子供を持つこと自体」を躊躇しているなら、話は別ですが、そうではなく、単に両立できるかの1点だけが心配…ということなら、あまり事前に色々と考えすぎるのは文字通り「取り越し苦労」なのではないかなぁ。と、個人的には思います。
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