2011年12月19日月曜日

上司の心部下知らず

少し前の話になりますが、幼稚園の運動会があったときのこと。
「子供たちが石を踏んで痛い思いをしたり、転んだときに怪我をしないように」と、前日準備では石拾いをしました。

「親の心子知らず」とはよく言ったものです。
きっと本人たちは、前日に親たちが石を拾ったことなど思いもせずに、自分の種目に懸命に挑み、ベスト尽くしたことでしょう。

■ そしてこの時、仕事上でのある出来事を思い出しました。

かつて取引先である、新人の方から初めて仕事の依頼を受けたときのことです。

こちらの連絡先を知っていたものの、具体的にどのような流れで仕事を依頼したら良いのかまでは、先輩方からは聞いていなかったようで、たどたどしい依頼ではありましたが、なんとかお仕事をお受けしました。

その後、その新人の上司にあたる方から電話があったのです。

内容は「こういう者(件の新人さんのこと)から連絡あっただろうか。新人なもので、要領が悪く失礼もあったかもしれないが、よろしく頼む」という旨でした。

きっと「こういう人がいるから、仕事をお願いしとけ」くらいの指示しか、しなかったのだろうなと思います。

またこの上司の方の性格からして、おそらく本人にはキツくあたっているのだろうなとも思います。

それなのに、突き放しながら、取引先に失礼がないよう密かにフォローに回る。
部下が仕事がやりやすい環境を、ひっそりと整えてやる。
上司として、これ以上頼りになる振る舞いがあるでしょうか?

この方の思いやりを、きっと部下の方は一生知ることはないのでしょう。
もしかしたら、厳しさゆえに嫌っていることもあったかもしれません。

でも、その厳しさの裏には、こんな優しさが潜んでいることもあるのだと。

「親の心子知らず」ならぬ、「上司の心部下知らず」だなぁと、幼稚園の石を拾いながら思った午後でした。

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